被害届を出すと脅された…その際の対処法や弁護士に依頼するメリット

被害届を出すと脅された…その際の対処法や弁護士に依頼するメリット

「被害届を出すと脅されて困っている…」

「被害届を出すと脅すことは脅迫罪にならないの?」

「被害届を出すと脅されたときはどのように対処すればいい?」

「慰謝料を支払わないと被害届を出す」「裏切ったら被害届を出して刑事事件にする」――このように相手から脅され、不安や恐怖を感じていませんか。

被害届は本来、犯罪の被害を警察に申告するための制度ですが、それを脅しの手段として利用する人もいます。正当な権利行使といえる場合もあれば、脅迫罪や恐喝罪が成立するケースもあるため、安易に相手の要求に応じるのは危険です。

本記事では、

・被害届を出すと脅してくる背景
・被害届を出すと脅された場合に脅迫罪は成立するか?
・被害届を出すと脅されたときの対処法

などを詳しく解説します。

相手の言動が脅迫罪に該当する場合、自分一人で対処するのはリスクが高いため、専門家である弁護士に対応を委ねることをおすすめします。

被害届を出すと脅された…相手が脅してくる背景とは?

被害届を出すと脅されたとき、まず考えるべきはなぜ相手がこのような言動に出ているのかという点です。その背景には大きく分けて以下の2つのパターンが考えられます。

自分の要求を実現するための手段として利用する

もっとも多いのは、相手が自分の要求を通すために被害届の提出を持ち出すケースです。

たとえば、口論やトラブルの末、相手から「このままお金を払わないなら被害届を出す」と脅されることがあります。実際に犯罪に該当するような行為があった場合には、被害者として被害届を提出する正当な権利がありますが、この場合は、慰謝料や示談金を支払わせるために脅し文句として利用しているにすぎません。

つまり、被害届を自分の要求を満たすための不当な脅しの手段として利用しているのです。

相手を精神的に支配しようとするケース

被害届を出すと脅す行為は、相手に精神的プレッシャーを与え、支配下に置く手段としても利用されます。

たとえば、交際相手が別れ話を切り出した際に「別れたら被害届を出す」と脅したり、配偶者がDVや不倫問題で「離婚したら被害届を出して逮捕させる」と脅したりするケースも見られます。また、会社内でもパワハラ気質の上司が部下に対して「逆らったら被害届を出して社会的に抹殺する」と告げるなど、不当な支配に利用される例も少なくありません。

このように、被害届提出を「脅しの道具」として用いる背景には、相手が自分の立場を優位に保ちたい、要求を無理やり通したいという意図が隠されています。

被害届を出すと脅された場合、脅迫罪は成立する?

被害届を出すと脅された場合、具体的な状況によっては以下のような犯罪が成立する可能性があります。

正当な権利行使なら脅迫罪は成立しない

被害届を出すことは、被害者としての正当な権利行使です。相手から実際に犯罪被害を受けている場合、それを警察に届け出ること自体は適法な行為ですので、相手に「被害届を出す」と告げたとしても原則として脅迫罪は成立しません。

たとえば、暴行を受けた被害者が「このまま謝罪もなく放置するなら被害届を出す」と告げる場合、これは正当な権利行使の範囲内と評価されます。

脅しの手段として利用されたなら脅迫罪や恐喝罪が成立する可能性あり

一方で、本来の権利行使を逸脱し、被害届提出を「脅しの手段」として利用した場合には、脅迫罪や恐喝罪が成立する可能性があります。

脅迫罪は、「生命、身体、自由、名誉または財産に対して害を加える旨を告知して脅迫する行為」を処罰の対象としています。ここでいう「害悪の告知」は、単に暴力を加えるなどの直接的な脅しに限らず、社会生活上不利益となる行為を告げることも含まれます。

被害届提出は、本来自由な権利行使ですが、これを盾にして相手に不当な要求をする場合、害悪の告知として脅迫罪が成立することがあるのです。

たとえば、過去に口論となり些細なトラブルがあった相手に対して

・「もし言うことを聞かなければ、あのときの暴言を警察に言って被害届を出す」

・「金を払わなければ、わいせつ行為があったと被害届を出して人生を終わらせる」

などと告げる場合、その被害届提出自体は権利行使であっても、脅しの手段として被害届を利用していると評価できるため、脅迫罪の成立要件を満たす可能性が高いといえます。

また、単なる脅迫にとどまらず、「お金を払わなければ被害届を出す」「示談金を出さなければ告訴する」など、金銭を得ようとする行為があれば恐喝罪が成立する可能性があります。

つまり、被害届提出を利用した言動は、状況や要求内容次第で脅迫罪や恐喝罪として刑事責任を問える可能性があるということです。

被害届を出すと脅されたときの対処法

被害届を出すと脅されたときの対処法

相手から「被害届を出す」と脅された場合、以下のような対処法を検討するようにしましょう。

まずは正当な権利行使であるかを検討する

相手から「被害届を出す」と告げられたときは、それが正当な権利行使なのかを検討することが必要です。

たとえば、暴力や器物損壊など実際に犯罪が成立する行為をしている場合は、相手が被害届を出すのは当然の権利であり、脅迫とは評価されません。しかし、次のようなケースでは、被害届の提出は単なる脅しの手段として利用しているにすぎません。

・相手が「被害届を出す」と言いながら、実際には犯罪が成立しない行為を問題視している
・過去に被害があったとしても、それを不当に誇張し「警察に言うぞ」と繰り返し脅してくる

正当な権利行使か不当な脅しのどちらにあたるかは、今後の対応方針を決めるにあたって重要になりますので、専門家である弁護士に相談しながら相手の要求の正当性を判断していきましょう。

(正当な権利行使の場合)相手との示談を目指す

相手の主張が正当な被害申告に基づくものであれば、速やかに謝罪し、示談交渉を進めることが重要です。

示談によって以下のようなメリットがあります。

・被害届提出前に示談が成立すれば、刑事事件化を回避できる可能性が高い
・仮に被害届が提出されても、示談が成立すれば不起訴処分となる可能性がある
・被害者側も解決済みとして処罰感情が薄れやすい

正当な権利行使の場合であっても、高額の示談金を要求されたときは慎重な判断が必要になりますので、示談に応じる前に弁護士へ相談しましょう。

(不当な脅しの場合)相手の要求に安易に応じない

一方で、相手が被害届の提出を脅しの道具として利用し、実際には犯罪が成立しないにもかかわらず、金銭や譲歩を要求してくる場合があります。

たとえば、

・「別れ話をしたら被害届を出す」
・「お金を払わないと被害届を出す」
・「従わなければ警察に言うぞ」

といった要求は、正当な権利行使を装った脅迫・恐喝行為である可能性があります。

安易に相手の要求に応じると、恐喝がエスカレートし、今後も繰り返されるおそれがあります。また、一度支払ったお金の返還請求は困難になる場合が多いため、脅されて不安になっても、相手の要求に応じるのは避けるべきです。

自分で対応するのが難しいときは弁護士に相談する

相手の要求が正当な権利行使か不当な脅迫かの判断に迷う方も多いでしょう。また、相手が感情的になっていたり、複雑な関係性(恋人・配偶者・上司など)が絡む場合は、自力で解決するのは容易ではありません。

このような場合、弁護士に相談すれば、

・相手の告げる内容が法的に正当かどうかの判断
・示談交渉が必要な場合の戦略や適正額の算定
脅迫や恐喝にあたる場合の拒否対応
・相手が被害届を出した場合の刑事弁護対応

など一括してサポートを受けることができます。

無理に一人で抱え込むと精神的にも追い詰められやすいため、弁護士への早期相談を検討しましょう。

相手が被害届を出すとどうなる?

相手が被害届を出すとどうなる?

「被害届を出す」と言われた場合、実際に提出されたときの流れを把握しておくことで自分がとるべき行動が明確になります。

被害届が受理されると捜査が開始する

被害届が警察に受理されると、捜査が開始されます。

ただし、相手が脅し目的で虚偽の内容を届け出た場合、被害届が受理されない可能性が高いです。そのため、脅しの手段として利用しているような場合には、そこまで不安になる必要はありません。

警察から任意出頭を求められる

被害届が受理されると、警察から任意で事情聴取を受ける可能性があります。

警察からの出頭要請は、あくまでも任意ですので拒否することもできます。しかし、呼び出しを拒否し続けると、逮捕状を取られて強制的に連行される可能性もあるため、呼び出しには素直に応じるべきです。

逃亡・証拠隠滅のおそれがある場合は逮捕される可能性もある

被害届が受理され、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると判断されると逮捕される可能性があります。

逮捕・勾留による身柄拘束は、最長で23日間にも及びますので、相手から「被害届を出す」と言われて、それが正当な権利行使にあたるときは、早期に示談を成立させることが重要です。

被害届を出すと脅されたときに弁護士に依頼するメリット

被害届を出すと脅されたときに弁護士に依頼するメリット

被害届を出すと脅されたとき、弁護士に依頼することで以下のようなメリットがあります。

相手の要求が正当な権利行使であるか判断できる

法律の専門家である弁護士に相談すれば、相手の告げる被害届の提出が正当な権利行使か、脅迫や恐喝にあたるかを正確に判断してもらえます。

自分だけで判断して間違った対応をすると、刑事・民事いずれにおいても不利な結果となるおそれがあるため、専門家である弁護士に判断してもらうべきでしょう。

正当な権利行使であれば相手との示談交渉を任せられる

相手が正当な被害届提出を予定している場合でも、弁護士を通じて示談交渉を行うことで、刑事告訴を回避したり、不起訴処分を得られたりする可能性があります。

また、相手と直接やり取りする必要がなくなるため、精神的負担を大幅に軽減できるでしょう。

不当な脅しなら相手の要求を拒否できる

被害届提出を盾にした不当要求が恐喝や脅迫にあたる場合、弁護士から「不当な権利行使である」「これ以上続けるようなら法的措置をとる」などと警告することで相手の不当要求をやめさせる効果が期待できます。

また、相手の不当要求が脅迫罪や恐喝罪に該当する場合には、刑事告訴や民事上の損害賠償請求のサポートをしてもらうこともできます。

被害届を出すと脅されたときはグラディアトル法律事務所に相談を

被害届を出すと脅されたときはグラディアトル法律事務所に相談を

相手から「被害届を出す」と脅され、恐怖や不安で冷静な判断ができなくなっている方は、一度弁護士に相談することを強くおすすめします。

被害届提出は、正当な権利行使となる場合もあれば、脅迫や恐喝に該当する場合もあります。しかし、実際に自分のケースがどちらにあたるかを正確に判断するのは簡単ではありません。また、仮に相手が被害届を出した場合、今後どのような流れになるのか、逮捕される可能性はあるのかなど、先の見えない不安で精神的に追い詰められてしまう方も少なくありません。

グラディアトル法律事務所では、これまでに多数の刑事事件や恐喝・脅迫問題の解決実績がありますので、被害届を出すと脅された事案についても、正当な権利行使か不当な脅し・恐喝にあたるかを迅速かつ適切に判断できます。

また、必要に応じて、相手との示談交渉、警察からの事情聴取や任意出頭への同行、逮捕後の早期釈放活動や不起訴処分の獲得など、被害届提出前後のあらゆる場面でサポートが可能です。

初回相談は無料で、平日夜間や土日祝も対応していますので、「こんな相談をしてもいいのだろうか」と悩む前に、まずはお気軽にご連絡ください。

まとめ

被害届は本来、犯罪の被害を警察に届け出るための制度ですが、それを脅しの手段として利用する人もいます。

正当な権利行使の場合は示談交渉を進める必要がありますが、不当な脅しであれば恐喝罪や脅迫罪が成立する可能性もあります。相手の要求内容が適法か否か、自分にとってどのようなリスクがあるかは専門的判断を要するため、被害届を出すと脅されたときは一人で抱え込まず、グラディアトル法律事務所までご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。