「恐喝事件で示談を持ちかけられているが、応じるべきか迷っている」
「示談金名目で多額の慰謝料を請求されているが、恐喝ではないかと疑っている」
「恐喝事件の示談金相場はどのくらいなの?」
恐喝の被害に遭った際、加害者側から「示談をしたい」と持ちかけられることがあります。示談に応じることで、事件の早期解決や被害の回復が期待できる一方で、対応を誤ると二次被害や不利益を被るおそれもありますので、示談に応じるかどうかは慎重に検討しなければなりません。
また、恐喝事件の示談金は、被害額の補償だけではなく精神的苦痛に対する慰謝料も含まれていますので、相場を理解しておかなければ不利な条件で示談に応じてしまうリスクもあるため注意が必要です。
本記事では、
| ・恐喝事件で示談を検討すべきケースとすべきでないケース ・恐喝事件の示談金相場と示談金に影響を与える要素 ・恐喝事件の示談交渉の進め方 |
などを詳しく解説します。
なお、「示談を装った恐喝を受けて困っている」という場合は、すぐに【第6章】をご覧ください。
一方で「加害者から正式に示談を申し込まれた」という場合は、【第6章】を除き【第1章】から順番に読むと判断のヒントになります。
被害者の立場として冷静に対応するためにも、ぜひ最後までお読みください。
恐喝被害にあったときに示談をすべきケース(=検討する価値がある場合)

恐喝被害に遭ったからといって、必ずしも示談を拒むべきとは限りません。状況によっては、示談を結ぶことで早期の問題解決につながるケースもあります。以下では、示談を検討すべき典型的なケースを紹介します。
相手が初犯で反省の意思が強く、金銭の返還+謝罪がある
加害者が初犯であり、心から反省している様子がうかがえる場合、被害回復の手段として示談を検討する余地があります。
民事事件として損害の回復を図る手段もありますが、相手が損害額などを争ってきた場合、裁判にまで発展するケースもあり、被害回復までにはある程度の時間を要します。
しかし、刑事事件の示談交渉の中で解決できれば、早期に被害回復を図ることができますので相手に賠償の意思と能力がある場合は、話し合いに応じる価値があるといえるでしょう。
自分が被害の公開(裁判・捜査)を避けたい
恐喝事件が刑事事件化すると、捜査機関への協力や裁判所への出廷が必要になる場合があります。恐喝被害を受けただけでも被害者には多大な精神的苦痛が生じるにもかかわらず、これらの手続きに応じなければならないのは大きな負担といえるでしょう。
そこで、このような手続きを避けたいという事情がある場合には、示談により早期に終結させる選択肢もあります。
弁護士を通じて、安全な形で合意できる環境がある
恐喝事件の示談において、最大の懸念点は「再度の脅迫行為」や「不適切な交渉手法」に巻き込まれることです。相手との直接の接触は、精神的な負担になるだけでなく、再被害のリスクにもつながります。
しかし、加害者側が弁護士を立てて示談を申し込んできた場合、または被害者側が弁護士を立てて示談交渉をする場合であればそのようなリスクを回避できますので、安全に示談交渉を進めることができます。
示談すべきでないケース(=加害者を処罰すべきケース)

恐喝被害に遭った場合でも、状況によっては「示談に応じるべきではない」ケースがあります。以下では、示談に応じるべきではないケースを紹介します。
相手が常習犯・組織的(半グレ・暴力団など)
加害者が過去にも複数回、恐喝や詐欺などの犯罪歴があり、常習的な犯行である場合や加害者が反社会的勢力いわゆる半グレ、暴力団、詐欺グループなど)に属している場合は、示談によって事件を穏便に済ませるべきではありません。
このようなケースでは、示談をしても再犯のおそれが強く、処罰が優先されるべきです。
また、示談に応じてしまうと、「カモ」として認識され、再び別の人物から金銭を脅し取られるリスクもあります。
組織的な犯行と疑われる場合は、ためらわずに警察に通報すべきです。
すでに被害が深刻(繰り返し脅された、金額が大きい)
恐喝行為が一度きりではなく、何度も繰り返されていたり、被害金額が高額になっている場合は、安易に示談に応じるべきではありません。特に、被害者から十分な示談金が提示されていない場合には、示談に応じるのは避けた方がよいでしょう。
なぜなら、刑事事件において少額の示談金で示談をしてしまうと、その後、民事事件で不足額の請求ができなくなってしまうからです。
被害金額が高額なケースでは、刑事事件で示談に応じるのではなく、民事事件としてしっかりと被害回復を図った方がよいでしょう。
相手に全く反省がなく、示談金で逃げ切ろうとしているだけ
加害者が示談を申し出てきたからといって、必ずしも誠意があるとは限りません。中には、刑事処分を軽くするためだけに表面的に示談を装うケースもあります。
たとえば、次のようなケースでは、実際には反省しておらず示談金で逃げ切ろうと考えている可能性が高いです。
| ・金銭の返還意思がまったくない ・一切謝罪の言葉がない ・示談条件が被害者にとって不利益なもの ・示談後にまた脅しをかけてくる |
このような態度が見られる場合は、示談に応じても被害者の安心にはつながらず、むしろ危険性が残ると考えられます。
弁護士が介入しても、反省の様子が一切ない、交渉姿勢が一方的という場合には、示談ではなく刑事手続による対応を選ぶべきです。
示談の過程で再び脅しや不当な要求がある
示談交渉中に、加害者やその周囲の人間から再び脅し文句を受ける、または不当な条件を突きつけられるような場合は、示談をただちに中止すべきです。
特に、以下のような言動があった場合は、示談を装った新たな恐喝の可能性があるため注意が必要です。
「示談に応じないなら、お前の情報をネットに出すぞ」
「警察に言っても無駄。それより金を払え」
「お前の職場や家族にも連絡してやる」
「俺じゃなくて、他の奴らが黙ってないぞ」
これらは交渉ではなく威迫行為=恐喝の継続・拡大にすぎません。こうした状況に陥った場合、もはや示談という選択肢は現実的ではありません。すぐに弁護士や警察に相談し、法的措置をとることが重要です。
恐喝事件の示談金相場は被害額+数十万円程度

恐喝事件の示談金は、基本的に「実際の被害額」に加えて「精神的損害・事件解決のための対価」などが加算される形式で決められます。相場としては、被害額+20万〜50万円程度が一つの目安です。
たとえば、100万円を脅し取られた場合、示談金は120万〜150万円程度となるケースがあります。被害者の処罰感情や加害者側の支払い能力によっても示談金額は左右されますので、弁護士に相談しながら適切な金額で解決を図るようにしましょう。
恐喝事件の示談金が相場よりも高額になる要素
以下のような事情があると示談金が相場よりも高額になる傾向があります。
被害額が大きい
恐喝事件の示談金は、脅し取られた金額そのものが高額であるほど、示談金の総額も増えるのが一般的です。
また、被害額が大きな事案では被害者に生じる精神的苦痛も大きいため、被害額に加えて慰謝料なども上乗せされる結果、示談金が高額になる傾向があります。
犯行態様が悪質
恐喝の中でも、犯行の手口や内容が特に悪質であった場合には、起訴され有罪になった場合の罪も重くなるため、それを回避する目的で加害者側が相場よりも高額な示談金を提示してくるケースが見られます。
犯行態様が悪質とは、たとえば次のようなケースが該当します。
| ・激しい暴力を伴う恐喝 |
| ・長期間にわたり繰り返し金銭を脅し取られた |
| ・被害者の家族や職場を巻き込むような脅し |
| ・SNSや動画を使った公開型の脅迫(ネット晒し) |
| ・加害者が複数人(共犯)で行動していた |
このような場合、被害者の恐怖や精神的ダメージは非常に大きく、単に金銭的な損害だけでは済まず、示談金の額も高額になります。
加害者の社会的地位が高い
加害者が著名人や企業経営者、芸能人、公務員など社会的信用を失うことが大きな打撃になる立場にある場合は、事件を表沙汰にしないことを重視し、高額な示談金での解決を望む傾向があります。
このようなケースでは、「告訴を回避したい」「前科をつけたくない」といった思惑が加害者側に強く働くため、被害者が請求する前に、加害者側から積極的に高額な示談金の提示があることも珍しくありません。
ただし、被害者側がこれに乗じて過剰に高額な示談金を要求した場合は、逆に恐喝罪に問われるリスクがあるため注意が必要です。
そもそも示談交渉それ自体が恐喝になる?
被害者が恐喝事件の被害を回復するために、加害者に対して示談金を請求することは、被害者としての正当な権利行使ですので、原則としてそれ自体が恐喝になることはありません。
しかし、示談交渉において相場を大幅に上回るような示談金を要求し、「示談に応じないなら事件をバラす」などと脅してしまうと、正当な権利行使の範囲・程度を逸脱していますので、被害者側が恐喝罪に問われてしまう可能性があります。
たとえば、示談交渉の場に代理にとして不良や半グレを参加させ、過激な言動により相手を威迫するようなケースです。
そのため、示談交渉をする被害者側も恐喝罪に問われないように注意しながら対応していかなければなりません。このようなリスクを回避するには、専門家である弁護士に示談交渉を任せるのがあんしんです。
示談金名目で恐喝被害に遭って困っている場合の対処

あなたが示談金を支払う立場(加害者側)であったとしても、相手の言動によっては恐喝の被害者になることがあります。たとえば、不倫相手の配偶者に不倫がバレてしまい、慰謝料を請求されたものの、その際に相場を大幅に上回る金額を要求され「示談に応じなければ不倫していることを職場や家族にバラす」などと脅されるようなケースです。
相手の言動から「恐喝されているかもしれない」と感じたときは、以下のような対処を検討しましょう。
まずは冷静に対応する
相手の言動に感情的に反応せず、何を求められているのかを正確に把握しましょう。感情的に反発すると解決が難しくなるため、返答は一度冷静になってから行うようにしてください。話し合いの記録は、証拠として残しておくと安心です。
恐喝の証拠を残す
恐喝を訴えるには証拠が不可欠です。LINEやメールのスクリーンショット、会話の録音、相手の発言を記録したメモなどを残しましょう。証拠があることで警察や弁護士への相談がスムーズになります。
危険を感じたらすぐに警察へ
暴力的な脅しや接近の予告があった場合は、迷わず警察に相談をしてください。被害届を出せば捜査が開始され、安全対策も講じてもらえます。
一人で抱え込まず弁護士に相談を
恐喝まがいの請求に冷静に対応するのは難しいものです。弁護士に相談すれば、違法な請求の対応や適正な慰謝料の判断などを任せられます。相手の態度が変わるケースも多く、早めの相談が解決への近道です。
恐喝事件の示談の流れと進め方

恐喝事件の示談交渉は、以下のような流れで進めるのが一般的です。
加害者側から示談をしたい旨の連絡がくる
まずは加害者本人または弁護士から、「示談を希望している」との連絡があります。この時点で相手の真意や態度を見極めることが重要です。
電話やLINEなど、記録が残る方法でのやり取りを心がけましょう。
示談に応じるかどうかを検討する
示談を受け入れるかは、被害状況や相手の反省の有無、安全な交渉環境が整っているかなどを総合的に判断します。
不安があれば無理に進めず、弁護士の助言を受けることが大切です。
示談金額や示談条件などを話し合う
被害額の返還だけでなく、慰謝料の上乗せや謝罪の内容、支払期日など、詳細な条件を協議します。曖昧なまま合意しないよう注意が必要です。
合意に至ったときは示談書を作成する
示談交渉により合意になったときは、口約束ではなく、必ず書面(示談書)を作成します。示談書に不利な内容が盛り込まれていないかチェックするためにも、一度弁護士に相談した方がよいでしょう。
合意内容に従って示談金が支払われる
示談金は通常、銀行振込で支払われます。振込明細や示談書は、将来の紛争予防のためにも必ず保管しておきましょう。
恐喝事件の示談で注意すべきポイント

示談交渉を進める際には、被害者側も冷静に状況を見極める必要があります。以下のような点に注意しながら、慎重に対応しましょう。
示談金額の妥当性を見極める
加害者から提示された金額が明らかに低すぎる場合、安易に応じると後悔することになりかねません。恐喝事件では、被害額だけでなく精神的苦痛への慰謝料も含めて検討する必要があります。
相場を知らずに応じてしまうと、適正な賠償を受けられなくなるおそれがありますので、納得できないときは、弁護士に相談し、相場と照らし合わせて判断しましょう。
満足いく示談金が提示されてないときは民事訴訟を検討する
示談で合意できないからといって、被害回復を諦める必要はありません。
相手から満足いく示談金が提示されていないときは、無理に示談に応じるのではなく、民事裁判で損害賠償請求を行うことも可能です。十分な証拠がそろっていれば、裁判所を通じて正当な金額を請求することができ、より納得のいく解決が期待できます。
示談金の過剰請求は逆に罪に問われるリスクがある
被害者であっても、あまりにも高額な示談金を要求した場合、「恐喝」や「強要」とみなされてしまうリスクがあります。
感情にまかせて無理な金額を要求したり、「払わなければ訴える」と何度も迫ったりする行為は法的に問題となる可能性があるため注意が必要です。
二次被害のリスクがあるため自分だけで対応するのは避ける
加害者と直接交渉をすると、再び脅迫的な言動を受けるリスクがあります。特に、加害者が反社会的勢力と関係している可能性がある場合は、個人で対応するのは危険です。
このような二次被害を避けるためにも交渉は弁護士を通じて行うべきでしょう。
恐喝事件の示談交渉を弁護士に依頼するメリット

恐喝事件における示談交渉は、被害者にとって精神的な負担が大きく、二次被害に巻き込まれるリスクもあります。そのため、自分一人で対応するのではなく弁護士に依頼して示談交渉を進めるのがおすすめです。
加害者との対応をすべて任せられるため精神的負担を軽減できる
弁護士が加害者とのやりとりを一手に引き受けることで、被害者は直接やりとりをせずに済みます。また、恐怖やストレスから解放され、冷静に対応方針を考えることができるようにもなります。
さらに、弁護士が介入することで加害者が態度を一変させることもあり、さらなる加害行為を抑止する効果も期待できます。
恐喝事件の示談金相場を踏まえて示談交渉ができる
弁護士は、恐喝事件に関する示談金相場を熟知しています。そのため、相手から不当に低い金額を提示された場合でも、適切な交渉することで示談金の増額を求めることが可能です。
また、慰謝料の妥当性、支払い方法、合意内容などを法的に整備したうえで示談を進めるため、後からトラブルになるリスクも少なくなります。
法的に問題のない示談書を作成できる
示談内容を正式な書面にする際も、弁護士に依頼することで法的に有効かつ実務上問題のない示談書を作成してもらえます。支払方法や再発防止条項などもきちんと盛り込まれ、後日のトラブル予防につながります。
一人で対応しようとして状況が悪化してしまう前に、早い段階で弁護士に相談することが、安心・安全な解決への近道です。
恐喝事件の示談交渉はグラディアトル法律事務所に相談を

恐喝事件に巻き込まれ、示談に応じるべきかどうかの判断に迷っている方は、まずは一度、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
グラディアトル法律事務所では、恐喝や脅迫といった刑事事件に強い弁護士が在籍しており、被害者の方に寄り添ったサポートを行っています。「相手から高額な示談金を請求されている」「示談に応じるべきかわからない」「これって恐喝ではないのか?」など、どんな小さなお悩みでも構いません。
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まとめ
恐喝事件における示談は、被害の回復や早期解決の手段となる一方で、誤った対応をすると新たな被害を招くリスクもあります。示談に応じるかどうかは、相手の反省の有無や被害の程度、安全な交渉環境が整っているかなどを慎重に見極めることが重要です。
適正な示談交渉を進めるためには、弁護士への相談が不可欠です。恐喝事件の示談に関してお悩みの方は、グラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。

